自分で空き家片付けができるかの判断基準
空き家を自分で片付けるか、業者に依頼するかの判断基準の目安を表にしました。
以下の表を参考にしてください。
条件 | 自分でできる | 業者に依頼 |
---|---|---|
部屋の広さや残置物の量 | 少ない | 多い |
重い荷物の有無 | 無し | 有り |
高所作業があるか | 無し | 有り |
時間や期間の余裕 | 急いでいない | 急いでいる |
害虫駆除の必要 | 無し | 有り |
危険物の処理 | 無し | 有り |
清掃に必要な道具の準備 | いらない | 必要 |
運搬車両の準備 | いらない | 必要 |
口コミや評判が良くても1社見積りの高額料金に注意!
部屋の広さや残置物の量について
空き家の部屋の広さや残置物の量によって自分で片付けられるかどうか?は判断基準の一つになります。
また、広さだけでなくご自身の体力などとも相談するようにするといいでしょう。
あまりにも広く、自分1人で運べないと判断したら空き家片付け業者などに相談するといいでしょう。
重い荷物があるかどうか
重い荷物や大きい荷物を運び出す必要があるかないか?も判断基準の一つになります。
こちらもご自身の体力と物の重さなどによって判断基準が変わりますが、1人で持てないものや協力してもらえる人がいない場合などは片付け業者に依頼するといいでしょう。
高所作業があるかどうか
高い場所での作業の有無でも判断が必要です。
ご自身で届く高さや、荷物の重さであれば自分で片付けもできますが、高い場所で重い荷物がある場合は怪我などにもつながるため片付け業者に依頼に依頼するのがおすすめです。
時間や期間に余裕があるかどうか
急いで空き家を片付けないと行けない場合は片付け業者に依頼することをお勧めします。
素人ですと、余計な時間がかかったり業者に依頼するよりも時間がかかることが想定されます。
害虫駆除の必要があるかないか
害虫駆除をする必要があるかないかでも判断基準の一つとなります。
害虫駆除の知識や道具などがあれば自分で片付けることもできますが、知識がない方は片付け業者に依頼することをお勧めします。
危険物の処理の必要性があるかないか
市区町村などの自治体で危険物や粗大ゴミとして処分してはいけないものがあります。(詳しくは各自治体のHPをご覧下さい)
そのため、特殊な処分が必要なものがある場合も片付け業者に依頼することをお勧めします。
ハウスクリーニングや清掃に必要な道具があるか
片付ける際にハウスクリーニングや清掃が必要な場合、自分で掃除のできる道具を用意できるかどうかも判断基準の一つです。
特に汚れがひどい場合は、片付け業者であれば専用の洗剤や道具があるため綺麗に掃除が可能です。
運搬車両の用意ができるか
少量であれば軽トラックなどを借りて自分で運び出しなどもできるケースもありますが、量が多い場合や2tトラックなど大きな車を用意しないといけない場合などは片付け業者に依頼することをお勧めします。
特に免許が必要だったり、トラックを借りるのに費用がかかる場合もあるので確認しておきましょう。
口コミや評判が良くても1社見積りの高額料金に注意!
空き家片付けの主な作業内容
残置物の仕分け
不用品の処分
家・部屋の清掃
消臭や補修作業
自分で空き家片付けをする場合の準備
自分で空き家片付けをする場合は下記の準備をしておくことがおすすめです。
- 家族など手伝ってくれる人を集める
- 整理するための道具を準備する
- スケジュールを決める
- ゴミの種類と処分方法を確認しておく
項目ごとに一つずつ見ていきましょう。
家族など手伝ってくれる人を集める
空き家を整理するには3人以上必要です。ゴミの仕分け、ゴミ処理センターへの持ち込み、部屋の掃除など必要な作業は多岐にわたるため、すべてを1人で行うのは難しいでしょう。
1日で終わらない作業ですので、予備日も含めてスケジュールを数日確保できればベストです。
整理するための道具を準備する
自分でゴミ屋敷を片付ける場合、下記を準備しておくといいでしょう。
- マスク、軍手、エプロン、汚れてもOKな服
- 殺虫剤(スプレー、燻煙剤などがおすすめ)
- ゴミ袋(量によるが100枚以上など)
- ガムテープや紐など
- 新聞紙など(尖ったものを包める)
- 雑巾、モップ、バケツ、洗剤、ほうき、掃除機等
- 消毒液等
- 可能であればゴミを積めるトラックなど
スケジュールを決める
ゴミの種類と処分方法を確認しておく
空き家片付けを自分で進める場合の手順
空き家の片づけを自力で進める手順は以下の通りです。
- 初めに害虫駆除をしておく
- 不用品やゴミを仕分けて処分する
- 清掃を行い整理する
項目ごとに一つずつ見ていきましょう。
初めに害虫駆除をしておく
長期間放置されている空き家には、害虫が発生している可能性があります。殺虫剤や駆除剤を作業前に撒いておけば虫などが気にならずに作業がしやすくなります。
逃げた害虫が、隣接する空き家に侵入する可能性も考えられるため、周囲の住民に事前説明しておくことをおすすめします。
不用品やゴミを仕分けて処分する
ゴミの仕分けは「まだ使うもの」「処分するもの」「保留」の3つに分けていきます。貴重品などの、金銭的価値があるものは捨てないように注意してください。
入り口である玄関から順に作業して、ゴミを運搬するルートを確保してください。
この時の作業のコツとしては、捨てるか悩む程度のものであれば思い切って捨てるなど、ルールを決めておくと作業も捗るのでお勧めです。
ある程度仕分けができたら、不燃ゴミや可燃ゴミ、粗大ゴミの収集日に合わせてゴミを捨てていきましょう。
粗大ゴミなどは自治体によっては月に1回しか回収しないということもあるため、粗大ゴミの出すタイミングはしっかり確認しておくことをお勧めします。
清掃を行い整理する
ゴミが全て処分できたら、最後に部屋の清掃を行いましょう。
目に見えるゴミは掃除機やほうきで掃除します。
床や壁など目に見えないバイ菌や虫なども湧いているケースもあるので、下記のような手順でしっかり拭いていきましょう。
- 新聞紙や乾拭きで液体などを拭き取る
- しつこい汚れの場合は洗剤を使って拭く
- 最後に消毒液をかけて除菌
消毒液などで除菌することでバイ菌などもいなくなり、悪臭などもなくなります。
空き家片付けを自分で効率よく進めるためのコツ
空き家の片付けの効率を上げるためには、事前準備が必要です。
しっかりと準備して、作業を進めていきましょう。
捨てることから始める
実家の片付けの場合は親族で事前に話合いを行う
片付ける前に親族としっかりと話し合いを行ってください。
トラブルを防止するためにも、以下の内容については相談しておきましょう。
- 何を残すのか
- 家の処分方法
- 遺産相続について
親がしっかりとしているなら、生前整理するのがいいでしょう。一緒に整理することで大切なものが何か判断できます。
遺品整理の場合は、兄弟など身近な人に協力してもらいましょう。
処分するものしないもののルールを決めておく
処分に時間をかけていては時間がいくらあっても足りません。貴重品以外は基本的に処分していきます。
残すべきものの一例は以下の通りです。
- 契約書
- 権利書
- 通帳
- 印鑑
- クレジットカード
どんどん捨てられるように、迷わずに処分することを心がけましょう。
作業の順番を決めておく
下記のリストのように、作業の順番を決めておくと効率的です。
- 入口から作業する
- すぐに捨てられるものから捨てる
- 1部屋ずつ終わらせる
入口から作業する
まずは入口付近からゴミとわかるものからどんどん捨てていきましょう。
初めに入口付近から捨てていくことで、作業スペースなども確保しやすくなります。
すぐに捨てられるものから捨てる
すぐに捨てられるものから捨ててください。処分しやすいものを捨てることで、部屋が片付いていきモチベーションを保ちやすくなります。
1部屋ずつ終わらせる
1部屋ずつ進めていくことで、作業が進んでいることが認識できます。
ゴミが減っている実感がモチベーションアップにつながるため、作業効率も上がります。
自分で片付ける場合のメリット・デメリット
下記に自分でゴミ屋敷を片付ける場合のメリット・デメリットをまとめてみました。
- プロの業者に頼むより安く済む
- 自分のペースで片付けられる
- 人の目を気にしなくて済む
- 時間と手間がかかる
- 腐敗物や害虫が発生した場合に十分な消毒や清掃ができない
- 大量のゴミを捨てなければいけない
お金をかけたくない方や、片付けるゴミの量が少ないケース、時間的猶予がある方におすすめです。
片付け業者に依頼する場合のメリット・デメリット
業者に依頼する場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
- 作業をまるっとお願いできる
- 自分で片付けるよりも早い
- ハウスクリーニングなど清掃作業も依頼できる
- 費用がかかる
- ゴミ屋敷を覗かれるストレスがある
自分で片付けられない量のゴミを処理したい方、時間がない方、お金がかかっても手間を減らしたい方におすすめです。
空き家が増加する原因や問題
空き家とは、年間を通して居住・利用がされていない建築物を指します。住宅に限りません。
売却用・賃貸用・二次的住宅(別荘など)の空き家については管理されている状態ですので問題はありません。
上記以外の住宅は、長期間にわたって放置されています。このまま管理が不十分な状態が続けば、さまざまなトラブルが発生するリスクがあります。
そこで、空き家の活用・処分を後押しするための法律として、2015年に「空き家対策特別措置法」が施行されました。
空き家が増加する原因と、どんな問題が予測できるのか詳しく見ていきます。
空き家が増加する原因
空き家が増加する原因は、核家族化が主な要因の一つです。実家を出た子供が別の土地に住居を構え、遠方に住んでいる親が自宅に住めなくなったときに空き家になってしまいます。
自宅を所有する高齢者が、老人ホームや子供宅に転居することで空き家になるケースが増えています。今後、団塊世代を含めた高齢者が増えていくため、それに伴って空き家も急激に増えていくことが予想されています。
空き家の多くは高齢者が所有する自宅、もしくは親から子供が相続したケースがほとんどです。空き家を活用するにはさまざまな問題があり、思うように片付けが進まないことも、空き家問題が増加している要因の一つです。
空き家整理が進まない要因として以下のことが挙げられます。
- いつか自宅へ帰りたいと考えている
- 思い出が詰まっている家を処分したくない
- 所有者である親が認知症になっている
また、子供が自宅を相続した場合は、兄弟間で争いになってしまうケースも多く、話し合いが長期化することも珍しくありません。
所有者である高齢者が認知症を患って、正しい判断ができなくなっていることもあります。子供たちがいくら家の売却を勧めても、親が同意しないため空き家が長期間にわたって放置されることになるのです。
空き家が増加することで起きる問題
空き家が増加することで起こり得る問題として、以下のことが挙げられます。
- 雑草・悪臭による環境悪化
- 街の景観悪化
- 不法侵入などによる治安悪化
- 害虫・害獣が住みつく
管理されていない家には、害虫・害獣が住み着き、近隣に多くの被害を及ぼします。
害虫は病原菌を媒介していることが多く、他の住居に侵入すれば衛生的に悪影響があるでしょう。また、白アリのような空き家の老朽化を加速させる生き物は、家屋を倒壊させるリスクがあり、周辺住民に被害が出る可能性もあるのです。
害獣が住み着くことでも、周辺住民に被害を及ぼします。近隣の庭やゴミ捨て場を荒らしたり、汚物による悪臭・病原菌などの被害が予想できます。
空き家放置は管理者のみならず、近隣住民にも迷惑がかかる状態なのです。
空き家の整理はするべき!放置するデメリット
空き家を放置することで、以下の4つの点が主なデメリットです。
- 老朽化が進み倒壊や火災のリスク
- 維持費がかかる
- 犯罪に利用されるリスク
- 固定資産税の優遇除外となってしまう
それぞれについて詳しく解説していきます。
老朽化が進み倒壊や火災のリスク
人の住まない家は急速に老朽化が進みます。地震や台風などの自然災害で空き家が倒壊する可能性もあるでしょう。
近隣住民や通行人にケガを負わせたり、倒壊した家屋の下敷きになり死亡させるようなことがあると、空き家の所有者に管理責任が問われます。
また、古くなった空き家の木材は燃えやすいため、放火犯に狙われるリスクも無視できません。
他の家屋に燃え移るなど第三者に被害が及んだ場合、空き家の管理が悪いと重大な過失とされることもあります。
空き家には保険が適用されませんので、大きなデメリットとなるでしょう。
維持費がかかる
空き家には維持費がかかります。土地の面積や建物の固定資産税によって異なりますが、田舎の空き家でも年間で約10万円以上の費用がかかります。
固定資産税は自治体により異なりますが、一般的には1.4%です。固定資産税評価額1,000万円の建物を所有している場合は以下の計算で算出されます。
1,000万円 × 1.4% = 14万円
毎年5月頃に各所から届く納税通知書で、詳細な金額を確認できます。
空き家には固定資産税以外にも修繕費用などが掛かります。すべてを支払うと膨大な金額になるため、管理せずに放置するケースが後を絶ちません。
犯罪に利用されるリスク
大きな物音がしても空き家なら気づかれにくいので、犯行現場として使われてしまう可能性があります。
例えば、詐欺によって届けられた品物の取引先に指定されるなどが考えられます。
犯罪に使われた空き家は資産価値が下がり、住居として売却できる可能性はなくなるでしょう。
また、管理されていない家は狙われやすく、犯罪者が住み着くリスクもあります。
固定資産税の優遇除外となってしまう
2015年に「空き家対策特別措置法」が施行されたことにより、長期間にわたって放置されている空き家は「特定空き家」「管理不全空き家」として勧告を受けてしまいます。その結果、固定資産税の住宅用地の特例が除外されてしまうのです。
さらに、命令に従わなかった場合、50万円以下の過料が科せられますので、すぐにでも空き家問題を解決することが求められています。