店舗閉店のケース
閉店理由としてよくあるケースについて説明していきます。不用品の処分で業者を利用する場合には、状況に合わせた作業を依頼しなければなりません。
個人店舗を閉店する場合
土地と建物を所有している個人店舗の閉店では、閉店後の物件の扱いによって処分が必要な廃棄物の量が異なります。
物件を別のことにすぐ活用するなら、迅速な作業が必要になりますが、しばらく期間が空く場合には、不用品を段階的に処分して廃棄コストを抑えることもできます。
テナントから撤退する場合
テナントから撤退する場合は、賃貸契約によって期限があります。地下や上層階の店舗は、エレベーターを使った排出作業が発生します。
トラブルにならないように排出のための導線や、作業時間を確認しておきましょう。
急な業態変更での撤退
チェーン店などでは、活性化のために店舗を別の業態に一新することがあります。この場合は従来の備品がそのまま活用できないため、退店と同じ量の廃棄物が発生します。
閉店期間をできるだけ短くしたいといった場合には、計画的にスケジュールを組んだり、夜間や土日に対応した業者に依頼しすることも重要です。
天災などによる急な対応
地震被害や台風、水害などの緊急時には、スピードのある対応が求められます。
このような状況では、災害時の廃棄物撤去の実績豊富な業者に依頼しましょう。急ぎの依頼でもすぐに対応してもらえます。
飲食店閉店のケース
飲食店の閉店のケースを2つ紹介します。
閉店と片付けについて、それぞれどんな内容なのか見ていきましょう。
スケルトン工事
スケルトン工事とは、入居時の状態に戻すため内装を全て解体することです。
鉄筋コンクリートなら「コンクリート打ちっぱなし」の状態に戻すのが一般的となっています。
スケルトン仕上げ、スケルトン戻しなどの呼び名もありますが、すべて同じ工事のことです。
居抜き
居抜きとは、設備や備品をそのままにしておくことです。店舗のオーナーが残すことを希望した場合や、早く追い出したいときなどに居抜きで閉店するケースがあります。
貸主の承諾を得られた場合に限り、設備や備品をそのまま後継者に引き渡すことができます。このような物件を「居抜き物件」と呼びます。
店舗閉店時に出る不用品の例
店舗の閉店でどんな不用品が出るのかをまとめました。
排出される主な物品をチェックしていきましょう。
商品
店舗の閉店では商品が大量に不用品となります。計画的な閉店であれば、閉店セールなどで在庫を処分できますが、急遽閉店が決まった場合には処理が間に合いません。
チェーン店であれば他店舗へ送れますが、個人店舗ならそのまま不用品になってしまいます。
店舗用の什器
什器(じゅうき)は、椅子やテーブル、陳列棚などの店舗て使う備品のことです。
- 平台
- 陳列棚
- ショーケース
- ハンガーラック
- システム什器
- パーティション
- 試着室
店舗の不用品は大きなものが多く、重量もあります。大きなスペースを取るため、早めに処分したい不用品です。
店舗用の家具
店舗用の家具も、閉店時には不要になります。
- 業務用テーブル
- 業務用椅子
- ソファー
- 応接セット
事務機器・OA機器
仕事で使うパソコンやコピー機などの事務機器・OA機器が不用品として排出されます。
レンタル品は返却できますが、購入品は処分が必要です。
- パソコン
- コピー機
- 事務用デスク
- 事務用椅子
- レジスター
厨房機器・調理道具(飲食店)
飲食店で使っていた、厨房機器や調理道具も不用品として排出されます。
- 冷蔵庫・冷凍庫
- フライヤー
- オーブン
- レンジ
- お玉・泡立て器・レードルなど
店舗閉店時の不用品処分の方法
店舗から排出される不用品を処分する方法について紹介します。
オフィス・店舗設備専門の不用品回収・買取業者へ依頼
オフィス・店舗設備を専門とする買取業者があります。すべて買取となることはありませんが、価値があると判断されれば買取の対象です。
処分・回収の依頼には費用がかかりますが、買取品があるため基本的に収益につながる取引です。
業者によって買取できるジャンルが異なりますので、問い合わせ時に確認しておきましょう。
口コミや評判が良くても1社見積りの高額料金に注意!
産業廃棄物処理業者へ依頼する
もっとも一般的なのが産業廃棄物処理業者へ依頼する方法です。産業廃棄物は家庭ごみとして回収できないため、資格を所持している処理業者へ依頼しましょう。
産業廃棄物処理業者は法人向けサービスを用意していますので、店舗閉店などで排出される大量の廃棄物も回収してくれます。
店舗閉店時の不用品処分や買取の方法
業者へ依頼するには、まずどのくらいの費用がかかるのかチェックしておく必要があります。必ず事前に見積もりを取るようにしましょう。
そして、店舗にある備品をすべて回収してもらえるかも重要です。業者によっては回収できないものがあるため、どこまで回収可能なのか確認してください。
急いで対応しなければならないときはスケジュール確認も大切です。何日までに回収するのかを、しっかりと相談しましょう。
不用品の中に買取可能なものがあれば、閉店費用の節約になります。業者に依頼する際には、買取対象となるものがないか確認しましょう。
店舗閉店時の注意点
店舗閉店時の注意点をまとめました。
これらのことに注意して不用品を処分しましょう。
店舗ゴミは自治体の粗大ゴミ回収には出せない
店舗ゴミを家庭ゴミとして出してしまうと、不法投棄とみなされます。
違反行為があると「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第25条」により、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金が定められています。
店舗の不用品は2種類に分かれる点に注意
店舗の不用品は「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」に分かれます。
すでに説明した通り産業廃棄物は「産業廃棄物処理業者」へ依頼が必要です。
「事業系一般廃棄物」は清掃工場に自己搬入するか、許可業者に回収を依頼する必要があります。
家電製品はリサイクル法の適用になる
家電製品は家電リサイクル法の対象となります。エアコン・テレビ・冷凍庫(冷凍庫)・洗濯機(乾燥機)は、家庭用機器であれば家電リサイクル法の対象です。
業務用の冷蔵庫など、家庭用ではない家電は「産業廃棄物」となり、産業廃棄物運搬業の許可を持った業者に引き取ってもらう必要があります。
マニフェストの作成
マニフェストとは、処分する業者名や処分の詳細を記録した「産業廃棄物管理票」のことです。
定期的に処分した証拠となるものなので、必ず作成してもらいましょう。
回収業者からマニフェストが交付されるのが一般的ですが、交付しない悪質な業者もいるため注意してください。
機密データの取り扱いに注意する
機密データが入ったデバイスは、自分で処理できる範囲ならデータ消去を行っておきましょう。
情報機器などを産業廃棄物として廃棄すると情報漏洩のリスクがあります。業者に依頼して破砕してもらうなどの物理的な処分が安全です。