家がゴミ屋敷になるほどになっても片付けてくれない・・・
いくら説得しても片付けに対応してくれない・・・
このようにものを溜め込み捨てられないという方は「ためこみ症」かもしれません。
物やゴミを捨てられない「ためこみ症」とは?
ためこみ症は大量の物を収集してしまう精神疾患のことを言います。(ホーディング障害とも言われます)
実際のものの価値とは関係なく物を捨てること、手放すことが困難になってしまう精神障害の一つです。
ためこみ症は慢性的に継続し、自然に症状が軽快することは少なくパートナーがいなかったり、一人暮らしの状況だとより病状が悪化する傾向があります。
個人差はあれど、人口の約2〜6%の人が溜め込み症と推定されるほど、身近な病気でもあります。
典型的には10代という若年期に現れはじめ、適切な治療がなければ収集が止まずに。結果的にゴミ屋敷化してしまうと考えられます。
ためこみ症の症状や特徴は?
下記のような症状がある場合は、ためこみ症かもしれません。
捨てる・手放すということが困難
価値のない物でも捨てるということが困難という状況になります。
多数の人からみると、いらないゴミのようなものでも手放せないという症状があります。
不要な物と認識ができず、大切なものと認識し捨てられないと拒否する場合もあります。
保存する欲求や捨てることへの苦痛が生じる
物に対して強い愛着を持っていたり、手放すことが可愛いそうと思ってしまうなどがあります。
そういったことで、捨てることに恐怖感を感じる場合もあります。
物に対して強い執着心がある場合はためこみ症の可能性が高いです。
一般的には捨てるような弁当箱のゴミと思われるものでも執着がある場合は「ためこみ症」の可能性が高いです。
生活空間がものでいっぱいになり散らかる
ためこみ症の場合、生活空間がものでいっぱいになり散らかっている状態になるケースがほとんどです。
部屋で生活できなくなってしまうため、食事や睡眠などもできなくなり健康被害が起きるケースもあります。
ためこみ症の原因は?
ためこみ症の原因は「気質要因」「環境要因」「遺伝要因」「生理学的要因」が原因と考えられています。
ためこみ症自体は、脳病変など他の病気に起因するものではありません。
気質要因
ためこみ症の人と第一度の親族は優柔不断な気質であることが多いようです。
他にも完璧主義、回避、先伸ばし、計画を立てて仕事をまとめられない。
注意散漫などもためこみ症の人の特徴的な性格です。
環境要因
ためこみ症の人はしばしば強いストレスによる心的外傷の経験を語ります。
それによってためこみ行為が始まったり、悪化したりすると感じている場合もあります。
遺伝要因・生理学的要因
遺伝的に近い親戚でためこみ症がある場合、同様にためこみ行為をする家族も50%ほどの高い確率でいると報告されています。
ためこみ症の治療方法について
有効性がある治療としては、意思決定と分類のトレーニングが挙げられます。
これは認知行動的な療法で、物を捨てるという刺激を繰り返して慣れていき「捨てても大丈夫」という認識を身につける方法です。
それ以外にも薬物療法もありますが、薬物医療法と認知行動両方に反応したのが18%程度という報告があります。
強迫症と似た症状がありますが、強迫症には有効な治療でもためこみ症にはほとんど効きません。
また、本人1人では治療が困難なため家族のサポートも必要になります。
ためこみ症以外の片付けられない障がいもある
ためこみ症以外の病気が原因ということもあります。
可能性としては、うつ病、統合失調症といった障がいもゴミを捨てられないきっかけとなるケースもあります。
下記のチェック項目で当てはまるものがあれば、病院で診断してもらうことをお勧めします。
- 何事にもやる気が起きない
- 何も楽しく感じない
- 約束を忘れる
- 集中力が欠けている・ミスが多い
- 妄想や幻聴を伴う
- 死を考えることがある
- 睡眠障害がある
- 1日起きられない日が続いている
- 食欲がない日が続く
また、自閉スペクトラムなどの発達障害に関連した嗜好などもためこみ症に似た症状になることも考えられます。
ためこみ症でお悩みなら医療機関や専門家に相談
ためこみ症は精神科や心療内科で相談ができます。
医師としっかり情報を共有し、本人の症状に合わせた治療法を探していく形を取れるようにしましょう。
理想は、本人が診断を受ける形が理想的ですが難しい場合は家族の受診も可能です。
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